
株式会社 ミクニ
DTM導入事例
企画から量産まで年間200件のプロジェクトをDTMで管理。プロジェクトリーダー任せだったExcel管理から脱却し、全社での進捗の「見える化」へ。
自動車部品メーカーとして、企画から量産まで年間200件以上のプロジェクトを手がける株式会社ミクニ。複雑化する製品開発と大規模化するプロジェクトの中で、Excelによる分散した進捗管理に限界を感じていました。そこで導入され たのが、Arasプラットフォーム上で動くプロジェクト管理アドオン「DTM」です。

(左から)Zionex 伊藤、株式会社ミクニ 開発マネジメント部 部長 樫山 環様、
エキスパート 早川 邦彦様
導入を推進されたのは、技術の「管理」から「マネジメント」へという組織変革を担う開発マネジメント部。量産開発の現場経験を持つお二人だからこそ、現場が本当に助かる仕組みを追い求めてきました。部長 樫山 環様と、エキスパート 早川 邦彦様に、導入の背景と決め手、そして今後の展 望についてお話を伺いました。
1. 企画から量産まで―ミクニのプロジェクト管理の全体像
ミクニ様の事業内容と、今回導入いただいた部門・業務についてご紹介いただけますか?
樫山様:
もともとミクニはバイクや自動車のキャブレターと呼ばれるエンジンの燃料補器装置の製造から始まって、今はスロットルボディと呼ばれる吸気制御装置や、ポンプ等を手がけている会社です。企画から量産まで一貫して担っており、その製品開発のプロジェクト管理にDTMを導入しました。企画から量産までの全スケジュールをDTMで管理しており、様々な部署がアクセスします。以前はExcelで各部署が自由に入力していたので管理が乱雑になっていました。今回DTMを導入したことにより、社内ルールが徹底され助かっています。
早川様:
DTMはどちらかというと個人レベルの業務管理ツールというイメージがあると思うのですが、我々は会社全体のプロジェクト管理のツールとして使っています。
樫山様:
大日程がきちんとしていないとプロジェクト活動全体が崩れてしまうので、まずは大日程からDTMで管理していく方針です。最終的には個人レベルの管理にも広げてみたいという気持ちはあるんですけどね。
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2. 導入前の課題 ―200件のExcel、俯瞰できない進捗
早川様:
自動車業界ゆえに遵守すべき品質・安全に関する法規や規格、規定がたくさん有り、製品自体も機械だけでなく、電気回路、ソフトウェアが絡み合う複雑なシステムになってきています。開発プロジェクトも大規模化していて、海外メンバーが入ることも増えてきました。そういった中で、「いつ・誰が・何を・どのように」というところをうまく共有できる仕組みが必要だと感じていました。
今までのExcelベースですと、プロジェクト責任者が日々進捗を確認して、遅れていたらメンバーの尻を叩くような原始的な管理になっており、その負担をなんとか軽減できればという思いがありました。
以前は全てExcelで管理されていたんですか?
早川様:
そうですね。年間200件ほどプロジェクトが発足されるので、毎年200個のExcelが増えていく状態です。
樫山様:
それらを更新する度にファイル名に-1や-2といった形で複製していくので更に増えていくんですよね。フォーマットの運用ルールもプロジェクト管理者任せになっていました。
早川様:
200件もあると埋もれて放置されているプロジェクトも出てきて、大事になってから慌てて対応することもありました。俯瞰的にプロジェクトの状況を把握するのがとても難しかったです。

3. 選定の経緯と決め手 ― ArasパートナーからDTMへ
導入前に他のソリューションを検討されたことはありましたか?
早川様:
プロジェクト管理については事前に実装したい機能を決めており、先ずは社内のエンジニアに「自社で開発できるか?」と相談したところ、経験が無く難しいという返答でした。そこで弊社担当のArasのパートナーさんに相談したところ御社を紹介していただいたという流れです。
DTMの決め手やポイントはありましたか?
早川様:
実装したい機能はDTMの標準機能として概ね揃っていて、それをカスタマイズするのが一番の近道だなと率直に感じました。それから、ザイオネックスさんから柔軟にカスタマイズしますよと言っていただいたのも大きかったですね。
樫山様:
開発から量産までとなると、かなりのカスタマイズが必要になってくるんですよね。今のPLMもカスタマイズしすぎて複雑になっている面はありますが、やはりカスタマイズできるという点は非常に重視しているところです。
早川様:
DTMは自由度が高いツールなのですが、社内ルールに準拠させるため我々はあえて自由度をなくす方向にカスタマイズしました。
4. 社内承認のポイント ― 費用対効果とDXの推進
社内で承認・推進するにあたって重視されたポイントはありますか?
早川様:
先ずはサブスクリプション費用やカスタマイズ費用も含めたすべての費用と削減工数を試算し、費用対効果があることを役員に訴え、決裁をもらいました。
樫山様:
情報一元化やDXを推進していたのも大きかったです。
5. 導入までの道のり ― 試験運用3回、システム連携の壁
2026年2月から本番稼働が始まったと思いますが、導入の流れを教えていただけますか?
早川様:
本番稼働までに試験運用を3回おこないました。カスタマイズしたものをいざ評価するとシステム的な障害や操作性の悪さ等、たくさんの課題が出てきて、修正を繰り返しました。
伊藤:
ワークフローの機能を、運用上の手間が増えるということで断念されたというのもありましたね。
早川様:
複雑な運用になることによる不平や拒絶反応が出ることを恐れてワークフローに関しては断念しました。最終的には10種類の手順書を作成し、社内説明会も開き、本番運用に至りました。
樫山様:
今のところ特に大きな課題は出ていないですね。大抵要望や使いづらいという声が出るものなんですが。
導入で苦労されたことはありますか?
早川様:
既存のプロジェクト管理機能とDTMをシームレスに繋げるところで苦労しました。同じ権限設定がお互いで独立して存在していたり、特殊アイデンティティが競合していたりすることもありました。最初は社内のエンジニアも気づかず、DTMのことを詳しく理解しながら一つずつ解消していった感じです。
樫山様:
社内のエンジニアはDTMの環境を知らないし、御社は弊社の環境を知らない。そのすり合わせが難しかったです。
6. 稼働後の変化と課題 ―まだ道半ば、でも手応えあり
本番稼働後、どのような変化を感じていますか?
樫山様:
測るにはちょっと早いかと思っています。プロジェクト管理に関する工数の集計を日々行っておりますが、1年くらい使ってみてからその工数削減の効果が出てくるのではと思います。
Excelだと情報を探すという工数がものすごくかかるんですよね。PLMの中ですべてのプロジェクトを俯瞰して検索できるようになれば、それだけで大きな効果だと思っています。
DTMへの課題感はありますか?
早川様:
Excelだと自由に書けるので、例えば毎月のプロジェクト会議で前回の会議の断面からの日程の変化点をビジュアルで見せられるんですが、DTMだとスナップショット機能があるもののそこがちょっと弱いところかと思います。ガントチャートにコメントを書き込むことができてもよいと思います。
DTM導入により作業時間が長くなるというネガティブな意見があり、実際にストップウォッチで計ってみました。実成果物の登録と予定成果物との紐付けに関してはステップ数が多く、従来に比べて作業時間が長くなるなと気になっています。それ以外はExcelと同じくらいでいけるかなという感じです。

7. DTMのメリット ―ビジュアルの明快さと横断集計
DTMのメリットはどんな点でしょうか?
早川様:
日程管理機能のビジュアルが優れていて、表示が明快で分かりやすいというのが最初の印象でした。工数の分析機能やプロジェクト横断で個人レベルの作業アイテムを管理できるのも魅力的で、追々使ってみたいです。
樫山様:
まだまだ伸び代がありそうですよね。どんどん効率化・集計に使っていけるシステムだと思いますし、マネジメントの視点でも非常に活躍していただけているかなと思っています。
8. 今後の期待 ― AIとの連携、個人管理への展開
今後のDTMへの期待はありますか?
樫山様:
DTMに限らずPLM全体として、AIを組み合わせて業務効率を上げていく方向だと思っています。
早川様:
構造化されたデータはAIとの相性がすごく良いと実感しています。まずは手軽にできるところから取り組んでいこうと思っています。
樫山様:
PLM登録情報の活用を促進するためにAI連携への期待は大きいです。
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